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新興成長国基礎データ
中国株レポート
・投資の視点
1. 長期投資
としての株式
2. 長期投資
としての日本株
3. 規制緩和と株価
4. 長期投資とし
ての日本国債
5. 子供にたかる
日本人
6. 日本人の年齢
7. 日本が世界に
誇る経営2社
8. 大幅な通貨
調整の歴史


規制緩和と株価


投資の視点
経済成長を左右する要素の中に@人口増加、A資本ストックのの拡大、B生産性の向上の3つがあります。

21世紀の日本は急速な高齢化が進み、現在の出生率では人口が減っていきますし、少なくても15−65歳の生産年齢人口は縮小してゆきます。

90年以降のかつてない低金利政策でも経済成長を図ることはできませんでした。残る日本経済活性化の方法は生産性の向上によってしかもたらされないということが導き出されます。

経済全体で見ると日本の生産性は依然として米国の3分の2に止まっており、特に規制の強い非製造業の生産性が劣っています。

規制の存在が規制産業の生産性を低め、購買力平価を為替レートから乖離させ、物価水準を高めているのです。

製造業も、昔から競争力が高かったわけではありません。下の図に見られるように戦後間もなくは、他の産業と同様低い生産性でしたが、製造業においては規制が少なく活発な企業間競争がなされ、著しい生産性の上昇により、米国との格差を無くしていったのです。

一方、非製造業においてはそうした企業間競争が不十分で生産性の上昇が遅れ、価格も高くなってしまったのです。

上の表からわかるように、日本において、規制の少ない製造業では60年代の水晶時計から始まって続々と世界に先駆けた様々な新商品を開発、発売し、新しいマーケットを創造してきた。

ところが、規制の多い非製造業においてはこうした開発の動きは殆ど見られず、欧米諸国によって開発されたサービスの後追いを現在も行っているという状況です。

これを考えるに、規制が新規事業の芽を摘んでいる事がわかります。変な話で恐縮ですが、法律の網をかいくぐる日本の風俗産業は、今まで世界に無かった新しいサービス分野を開拓し、世界でも例のない産業規模となっています。

この事を考えても日本人が非製造業で新規事業を開拓する能力があると思われます。

既存の労働者と使用資本をより有効に活用する以外、実質経済成長を高める方法はありません。だからこそ、今、規制緩和が叫ばれ、揺るやかではあれど着実に規制緩和が実施されているのです。

現に米国ではOECDの推定によれば80年代の電力、空運、陸運、小売、通信の規制緩和によって、価格は10−20%下がり、GDPは6%押し上げられました。

また、失業増加という痛みも予見されましたが、結局は80年以降2500万人もの新しい雇用が創出されました。日本が本格的に規制緩和に取り組めば、米国より遥かに規制が強かった分だけその効果も大きくなります。

経済企画庁の楽市楽座研究会の予測では、規制緩和によって生産性が米国の水準にまで上がれば、GDPは最終的に29%押し上げられるとしています。

勿論、今まで無かった新しい産業が規制の撤廃によって創出できればこの効果はもっと大きくなるでしょう。

日本の株価が底値を付けた92年夏から今まで、若しくは95年夏から今までの業種別の株価の動きをみると面白いことがわかります。

政府による規制の強い業種ほど株価は低迷し、規制の度合いの少ない業種ほど株価が上昇しており、規制の度合いと株式収益率の間に綺麗な相関関係があることが分かります。

通信分野で規制の強さの割に株価が上昇していますが、これは通信分野で規制緩和が相次ぎ、この結果携帯電話の爆発的な普及にみられるように、市場全体が成長したということで説明がつきます。

陸運業界も、中核は私鉄等の鉄道であり、その事業のかなりの部分に不動産業の色彩が強いため、不動産株のパフォーマンスに近くなったものでしょう。

投資家は、今後の日本は規制で守られた業種の超過利潤を今後は許さなくなり、その分規制による不利益を受けていた業種の企業にも分配されると、株価はかたっているのではないでしょうか。

最近経済学者の間で認知されてきたことがあります。

それは、経済成長のスピードは、所得税(広い意味での所得税である健康保険料や、厚生年金保険料等も含む)の大きさに強く影響されること、そして国の所得税からくる税収の大きさと、その国の経済成長にあるということです。

税率が高くなっていけば、いくら民間企業や個人が働いてもうけても政府に税金で吸取られてしまうという恐れが影を落としているために、資本形成が伸び悩んでしまうのです。
日本の製造業と非製造業との革新能力の差
製造業 非製造業
~1970


IBM701(米:52年)
IBM360(米:64年)

水晶腕時計(日:69年)
外食産業(米:戦前、日:71年)
コンビニエンスストア(米:27年、日:73年)
CATV(米:48年、日:55年)
クレジットカード(米:49年、日:60年)
ポケットベル(米:58年、日:68年)
POSシステム(米:60年、日:70年)
コンピュータ通信(米:60年、日:70年)
銀行のキャッシュデイスペンサー(米:67年、日:69年)
1970~
1980
CPU(米:70年)
IBM370シリーズ(米:70年)
ファクシミリ(日:71年)
パーソナル電卓(日:72年)
レーザーデイスク(米72年、日:78年)
デジタル時計(日:74年)
家庭用VTR(日:75年)
スーパーコンピューター(米76年)
ワープロ(米:70年代、日:78年)
ウオークマン(日:79年)
パソコン(米:77年、日:79年)
TVショッピング(米:60年代、日:71年)

MMF(米:71年、日:80年)
レンタルビデオ(米:76年、日:78年)
宅配便(米:70年代、日:76年)
携帯電話(米:70年代、日:79年)
人材派遣(米:70年代、日:86年)
株式プログラムトレーデイング
     (米:70年代、日:80年代)
1980~
1990
製鋼の完全連結プロセス(日:81年)
コンパクトデイスク(日:82年)
遺伝子組替えによるインシュリン(米英:82年)
ウオシュレット(日:83年)
液晶式テレビ(日:83年)
カメラ一体型ビデオ(日:83年)
家庭用TVゲーム(日:83年)
オート一眼レフカメラ(日:85年)
電子手帳(日:88年)
ノート型パソコン(日:89年)

生前給付保険(米:83年、日:92年)
自由金利決済性預金(米:83年、日:94年)

インテリジェントビル(米:84年、日:85年)
ハブアンドスポーク空港システム(米:80年代
コンピュータ制御予約システム(米:80年代)

ダイヤルQ2(米:80年、日:89年)
1990~ カーナビゲーション(日:90年)
デジタルハイビジョン(米:90年)
DVD(日:96年)
インターネット(米:87年、日:92年)

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